ゴジの発言

≪ゴジ組応援団≫について  長谷川和彦

書き込みが遅くなってスミマセンでした。
その上、きっちり丁寧に説明しようと思ったら、ずいぶん長くなりました。
ま、我慢して読んでやってください。

●≪経緯その1≫
今年2月、やっと「企画/脚本広場」が立ち上がった頃。大阪から上京してくれた「べ
あさん/古川敦之氏」と初めて会いました。(べあさん任命の宣伝大臣miniraさんも
一緒でした。)メールではすでに何回もやりとりしているのに、お互い「初めまして」
と挨拶して、「おう、なんだか『ハル』みたいだなあ」と、ネットでの人と人の出会い
を、ちょっと照れ臭い思いで楽しんだように憶えています。
その時、いろんな話をしたのですが、やはり「GOJI SITEの今後の展開について」が話
題の中心でした。「究極の夢は、ネットをベースに映画を作ることだなあ」という話に
なりましたが、ネット・ビギナーの私は、「ネットでの出会い」が実際の映画製作にど
こまで実効性を持てるのか、正直、期待と不安相半ばする気分でした。でも、『連合赤
軍』のようなスポンサーのつきづらい企画は、それこそ「一口一万円プロデューサー」
を募ってでもやるしかないのかも知れない……とは昔から思っていましたし、いつか近
い将来、サイトを出会いの場として「人材や資金」が集まれば面白いなあ……とも思い
ました。しかし、今はまだ、やっと「企画/脚本広場」を立ち上げたばかりだ……とも
かく「一番大切な、映画製作の核になる≪企画/脚本≫、コイツを頑張ろう」で、その
日は終りました。

●≪なぜ、長谷川は消耗しているのか?≫
その後の「企画/脚本広場」の経緯については、皆さん御存知のとおりです。(最近こ
のサイトを訪れた人は、公開されている作品群や「ゴジの感想」を読んでみて下さい。)
「マッド・ボンバーズ!」の創作セッションは、難航しながらも進行中ですし、新しい
作品応募も「これ以上のピッチで来ると、俺ひとりじゃ対応しきれないぞ」という、嬉
しいような苦しいような、ギリギリのペースで続いています。
ほぼ8ヶ月強が過ぎて、まだ「これで決まりだ。これを撮るぞ」という企画/脚本は存
在していませんが、もともとそんなに簡単にゴールできるような、平坦な道だとは考え
ていません。
「感想」を書き「セッション」を続けるのは、ときに苦しいけれど、あくまで自分で提
案した「創作のスタート=映画の核作り」であり、「新しい作家を発見するトライ」です。
これは今後、かならずや、何らかの形での「実り」に結実すると信じています。

しかし、その確信とは裏腹に、8ヶ月が経って、ひどく消耗している自分にも気づきました。
今回の≪ゴジ組応援団≫の提案は、「なぜ自分はGOJI SITEに参加することに、こん
なに疲労感を感じているのか?」と自問し、べあさんに相談をすることから始まったのです。

●≪双方向性の欠如≫
「ネットは、その機能特性自体がインターラクティブな、新しいメディアだ」とはよく
言われることですが、ネット・ビギナーの私が何となく想像し期待していた「双方向性」
は、現在のGOJI SITEでは上手く存在しえていないように思います。「企画/脚本を
応募する→長谷川が感想を書く→≪創作セッション≫になだれこむ作品もある」という
流れを別にすれば、「掲示板」だけが現在唯一の「インターラクティブな場」であるわ
けですが、コイツを立派に機能させるのは、なかなかの難題なのだとわかりました。
元来「アナーキーなカオス状態」が嫌いではない私は、掲示板でときにくりひろげられ
る「クダラナイ喧嘩や誹謗中傷」をすら、楽しんでやろうとしてきました。
誰かも言ってたように、私は「アイドル」ではないのだから(「文化人」と呼ばれるの
は、もっと嫌だが……)ラブコールやオマージュばかりも気味が悪い。「オッサン」
「長谷川」と呼んでの罵りが混じるくらいで丁度イイと思っています。(ただ、自分以
外の人間に対する下品な中傷は、やはり、ひどく不快だ。)
人が群れる場所には、必ず「敵役の存在」が必要になるのでしょうが、問題は「その敵
役が魅力的か否か?」なのでしょう。
「最悪のヤツが登場した」と皆が危惧したであろう「白マラ治郎さん」が、意外や意外、
ユニークな笑いを喚起する魅力的な敵役になったのは、きっと彼が愛嬌ある正直者だっ
たからだ。このサイトで「長谷川の映画?観たことねえぞ、そんなもん」と言い放ち、
「でも、誰か見せろ、勉強したいんだ俺は」と脅してみせる彼は、「お尻丸さん」が推
測するように「なかなかの教養人」なのかも知れない。「歌う掲示板アイドル/葵ま
さお クン」もまた、なかなかの表現者だ。ヒステリックな誹謗発言に「やんわり、鋭
いクギをさす」あたりは、誰にもできない「芸」の域に達してると感心した。いや駄洒
落じゃなく……。これで企画や脚本にも、君らしいユニークでオリジナルな発言が出る
ようになればと、本気で期待しています。
(「フンドシ隊vばかり、ヤケに持ち上げてしまったが……「普通の人々」の誤解をま
ねかないように言っておくが「俺は、ノンケだからな……今のところ……」)

「敵役」ついでに書けば、「消えると宣言しては、細胞分裂して再登場する、ヒンシュ
ク者の敵役」について……「彼」が、皆が不快がる発言をしつづけるようになってしまっ
た一半の責任は、私/長谷川にあると思っています。彼だって、最初からこんなに酷く
はなかったのだ。「三島由紀夫のNHK番組」を観るように勧めてくれたり、なかなか
個性あるクリエイティブな発言をしたり……決して「最悪のショウジョウバエ」ではな
かったのに、私がクイックなリアクションをしてあげられなかったのが、彼がグレてし
まった一因だと思う。その屈折したハンドル名と、やや特殊な衒学性が、私のリアクショ
ンを躊躇わせたということもあるが、ともかく私は「応募企画/脚本」の感想を書くの
に手いっぱいだった。そのうち「無視された」と怒った彼は、私とセッションを続ける
伊藤さんに八つ当たりするようになり、お尻丸さんもまたそのトバッチリを受け……長
谷川を罵倒する現在に至っている、のだと思う。

この問題に関しては、私はべあ管理人とほぼ同意見だ。「出入り禁止」を宣告し「書き
込み→削除」のイタチゴッコを続けても、問題は解決しない。
先ずは「皆が、暖かく、完全無視してあげること」だろう。そのうち彼が本来の正常な
知性と感性をとりもどせば、きっと新しいハンドル名で(そう願いたいものだ)再登場
するだろう。それはそれで良いことじゃないか。ともあれ「ルール」なんか少ないほど
良いに決まっている。私はこれを「彼」について語る「最初で最後」にするが、皆はま
たそれぞれ勝手にすればいいと思います。
(わかったな「助監督の≪俺≫」……明日午後3時に連絡しろ、説教だ!……マズイぞ、
白マラ的になっている。)

●≪ネットならではの双方向性の獲得≫
私の「疲労感」は、「彼」あるいは「彼に類する発言」に原因があるのではない。
むしろ、「どんな発言にせよ、発言が少なすぎること」に理由があるのだと思いました。
べあ管理人によれば、掲示板に書き込みをする人は、サイトを訪れる人の「ほんの数%
だろう」ということだ。ましてや「企画/脚本」は、誰もがすぐ書いて参加できるとい
うものでもない。「インターラクティブなネット」と言われても、「向こうに誰がいる
のか、何を考えているのか……コチラからは見えない」のだ。ネットの「相互作用」を
機能させようがないではないか?
そのうえ、その「ほんの数%の書き込み者」も、くだらない喧嘩をしたり、巻き込まれ
たりして「応募脚本/企画」に対する意見もなかなか出てこない。

≪消耗感に満ちたエネルギーの空転≫をしか、サイトに感じられないことが、私の「疲
労感」の原因だったのだと思います。

では、どうすれば良いのか?
単純に言えば「サイトの目的を明確にすること」、そして「その目的を可能なかぎり、
皆が共有することだ」と、思いました。
私がこのサイトに参加している目的は、≪映画を撮ること≫です。
この目的が「皆が共有できる目的なのか否か?……リアルな模索を始めようじゃないか」
と、べあさんと相談して形になったものが、≪ゴジ組応援団≫の提案だったわけです。

そういう意味では、一番素直かつストレートに提案の意味を理解してもらえたと感じた
のは「celadonさん」の次のような書き込みでした。

≪皆さんわりあいと金銭の事で否定的に取られてらしゃる様ですが、募集内容に今すぐ
金を払えとは書いてありませんよね。長谷川を応援する気持ちがあって、実際よし映画
を撮るぞとなった時にはどの位の協力者がいて、どの位の協力をしてくれるのか、そん
なところをリサーチしたいというのが本当のところだと思うんですよね。だって今回の
書き込みをしてきた人の名前を見ると、もちろん掲示板の常連もいるけれど最近書き込
みをしていない、ないし企画を出していない人が結構いるじゃないですか。そういう潜
在的な人員の発掘というか開発を意図した企画だと思うんですよね≫

そのとおりです。
「それなら≪ゴジ組応援団/結成≫なんて大騒ぎせずに、アンケートを取ればすむこと
じゃないか?」という意見はわかりますが、そんなボンヤリした方法では、いま現在の
ようなビビッドな反応が色んな人から出たとは思えません。

かなり性急な感じはあるが、≪そのまま実効行動に移行できる模索/リサーチ≫として
≪ゴジ組応援団≫という形を選択したのです。
もちろん「カンパ金予約」の項目が、かなりの人の拒絶反応に結びついたことは理解し
ました。しかし、その反応を得たことをふくめて、この形のリサーチで正解だったのだ
と考えています。

●≪カンパ金を集めることへの不安≫について。
「企画/脚本も決まっていないのに、カンパなんか約束できねえよ」と思われる人は、
もちろんそれでイイのです。ごく常識的な当たり前のリアクションだと思います。
「いざ、鎌倉」が近づき、もっと色んなことが具体的になったときに再考してください。

いま現在の「申し込みフォーマット」は、「企画/脚本/製作形態が何であろうが、長
谷川の復帰作は応援するぜ」と思ってくれる人が、はたしてどれくらいいるのか?どん
な人材なのか?……をリサーチするためのものですから、いちばん根っこの率直な気分
の「ツカミ」ができれば、それでOKなのだと考えています。

べあさんの「告知」にも書いてありますが……
●ともかく、≪ゴジ組応援団≫は≪ゴジ組≫が成立する前から活動を開始するのです。
≪ゴジ組応援団≫が「人的/物質的」応援力を持つことで、≪ゴジ組≫そのものを存在
させようとする試みですから、既成の「利潤追求目的の応援団ビジネス」とは「動機」
も「目的」も、まったく違います。何卒、そこを御理解ください。

この「応援団ビジネス」とは、誰かが指摘していたように「cinemoney」のことです。
(これは「伊藤忠」が始めた「ネット・ビジネス」の一環で「インフォ・アベニュー株
式会社」という会社でやっている。興味がある人は、そのホームページを覗いてみて下
さい。≪ゴジ組応援団≫との本質的な違いを理解してもらえると思います。)
http://www.cinemoney.com/

●「その集金の具体的な方法は、今後ベストに検討していきます」と、べあさんが告知
している資金集めの問題に関しては、現時点でも、すでにもっと詳しく説明できますが、
「製作される映画の具体的形態の可能性」が、あまりに多岐にわたっているので、後日
キチンとやりたいと思います。すなわち、どの製作会社と、どのくらいの規模の映画を
製作するために、どんなふうに組んでやっていくのか……によって、すべて違ってくる
からです。もちろん、≪ゴジ組応援団≫で集まった資金だけで、映画製作を敢行すると
いうケースも充分可能性アリだと考えています。

ともあれ、べあさんも私も(懸念は持ちながらminiraさんも)、前向きにマジです。
「お金を集める」という誰もが神経質にならざるをえない問題に関しては、すでにその
道の専門家をブレーンに組織し始めていますし、皆さんの意見・アイデアも、とことん
拝聴するつもりです。
今日のところは、「決して、べあさんの手が後ろにまわったり、集めた資金が長谷川の
飲み代に消えるようなことはない」とだけ、怒りをこめてアピールするにとどめたいと
思います。

「長谷川のオッサン、えらい焦っとるなあ。先ずは企画/脚本だろう?」という辛辣な
正論は、私自身のなかにもあります。
しかし、「クルマは両輪なければ走らない」もまた正論なのです。
2月段階では「時期尚早」と判断した「企画/脚本」「人材」「資金」の、ポジティブ
な合体案は、いま私のなかでは「今しかない」に成長/発展しているのです。

「追いつめられた悲壮な覚悟」ではなく「楽しく元気にワクワクしながら」、この方向
へ皆で一緒に走ってみませんか?

皆さんの、率直な意見/リアクションに期待しています。

P.S. べあさん、miniraさん、そしてサイトの皆さんへの提案。

懸案の「第一回東京オフ会」を、近々に開催しませんか?
話合うべき問題も、ハッキリしてきたし、長谷川も、ただいま元気になりつつあります。
元気になりすぎて、乱暴狼藉をはたらいたりしないことを誓いますから、ぜひお互いの
顔を見ながら、いろんなことを喋り合いましょう。

(2000/10/09)