「田村 孟・人とシナリオ」感想コーナー

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「田村孟 人とシナリオ」を推す    長谷川和彦

四年前に突然逝ってしまった「孟さん」を想いながら、「田村孟 人とシナリオ」を読んだ。掲載脚本四本も、先輩諸氏による回想記も、インタビューもエッセイも……これは皆、これから映画をやろうとする者、映画を愛するすべての人間の「宝物」だなあと、今さらのように思った。

毒舌酒乱で鳴る孟さんの歩んだ映画人生は、必ずしも順風満帆なものではなかった。特に、負けず劣らず酒乱の乱暴者たる私・長谷川との二人三脚は、いつも迷惑のかけっぱなしだった。いろんな苦境のなかで、孟さんの優しい知性が、いつも、乱暴者になんとか監督させようと並走してくれてたんだなと、この本を読んで再び思い知った。
孟さん、ありがとう。
あなたの残された素晴らしいものを、私たちは決して無駄にはしません。
この一文を書いている最中に、相米慎二が急死した。
馬鹿野郎! オマエまで先に逝くなよ……。
……孟さんの好きだった言葉で言えば、また私は「同志」を一人失ったことになる。
一人でも多くの人に、この本を読んでもらいたい。
孤独に追いつめられた気分で、祈るように思う。
この言葉を私は若き映画志望の諸氏のためだけでなく、私自身のために吐いている。

ここには、同志/孟さんが描いた本物の人間たちの物語がある。
そして、「人と人の出会いが映画を作ること」が記録されてある。

孟さんと出会ったおかげで、私は『青春の殺人者』を作ることが出来た。
……今、私は、新しい出会いを心底欲しているのだ。

一緒に映画を作ろう。
そして、先に逝ってしまった同志/仲間たちに、「俺たちの映画」を見せてやろうぜ。
2001/09/17
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