監督 長谷川和彦 /原作 中上健次『蛇淫』/脚本 田村孟
出演 水谷豊・原田美枝子・市原悦子



葉県で実際に起こった親殺しの事件を題材にした作品なんですが、圧巻なのは
母(市原悦子)と子(水谷豊)の格闘シーンです。これほどまでにすさまじい殺し合い(それも親子)のシーンを邦洋 問わず 映画で観たことがありません。カットわりがすばらしく良く出来ているので狭い部屋の中での格闘シーンなのに 超ダイナミック!!そういう才能のきらめきという点からみると あのスピルバーグの傑作「激突!!」にも匹敵するものがあります。
エンドクレジットをみると「暴走族ブラックエンペラー市原支部」の名がありどうも彼らのスタントシーンもあったようなんですが映画では「スッパリ」なくなっています。映画のテンポや構成の面から「不要」と判断し 切ったのでしょうが、そういういさぎよさ、全くナイスです。
主人公の順(水谷豊)は父を殺し 母を殺し、 女(原田美枝子)を捨てます。しかしそんな順が映画を見終わったあとどうしようもなく
いとおしく思えてしまいます。そう 観客に思わせるところがすごいです。
国家からの 組織からの 家族からの もろもろのしがらみから 解放され 別な新しい何者かになる。根源的で本質的なもっと野蛮人していた人間に
戻り 新しいなにかを つかむ。そういった熱い思いが この映画には 煮えたぎっています。
監督 長谷川和彦/原案レナード・シュレイダー/脚本 レナード・シュレイダー&長 谷川和彦
出演 沢田研二・菅原文太・池上季実子 

爆を作った理科教師のはなしなんですが、この映画がまた凄い。テーマはかなり深刻なんですがとにかく面白くつくってあります。見せ場 山場が各所にあり、 なのに 、刑事と犯人の対決というオーソドックスなスタイルをうまく使っているので 話しが散漫になってしまうことがありません。まず 冒頭からして やってくれます。これだけで 一本の映画が撮れるんじゃないかと思うようなドラマティックなバスジャックシーンで開巻。この 気前のよさ 、思い切り 、いやはやすばらしいです。科学の発展と人類、ちょっと おおげさですが こんなテーマで現代社会は しばしば語られることがあります。
果たして 人類は 正しい道を歩んでいるのか ?公害・環境汚染・自然破壊 etc人類はちっともいいことをしていないじゃないか。そんなテーマに対し この映画は ひとつのこたえを提出しているようにも思えます。
「生まれて来たからには楽しませてもらう!」どーです?明快でしょ。
やがて 核戦争が起きようが ダイオキシンで 滅びようが だからといって 人間は夢を追いかけるのをあきらめちゃいけないし、また 夢を 追いかけるのが人類の性(さが)なんです。
ラストで主人公は 被爆で抜け落ちる髪の毛を 「フッ。」と なにげに吹き飛ばしそれでも風船ガムをふくらませながら威風堂々 歩いて行きます。そんなシーンを観ながら ふと 先のようなことを考えてしまいました。
ま そんな 小難しいことは あとにして とにかく この映画は「絶対面白い」から見逃してはいけません。
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